7 初孫誕生
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| 母 ・ 娘 ・ 孫 |
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平成3年2月22日午前2時40分、リロ リロ リロ に飛び起きました。
「2時29分坊んちゃんが産まれはりました。おめでとうございます」
娘が入院している産院の看護婦さんからの連絡です。
確か予定は一週間先の筈、不意討ちです。眠気をふっとばして産院に駆けつけ、
裸の初孫≠ニ対面しました。
娘が男の子を産んだんです。
赤ちゃんを産む ということは大変なんですね。知らなかった。今までは
「赤ちゃん産まれた」と聞いても
「母子とも元気? 良かったね おめでとう」 その程度の関心しか持っていなかった私です。
今回、娘の妊娠中母親代わりに主夫をして、ずーっと現実を見てきました。
つわりの時の吐き気や苦しさ・極度に食欲がなくなっての衰弱・貧血・めまい・ふらつき等、
あらゆる症状がいっときに襲ってきたみたいです。初めてなので不安とイライラを訴える娘。
私にはただ励ますことしか出来なかったのですが。
妻に加えて娘、二人の病人を世話してるみたいで、いささかまいった時もありましたが、
ここが『主夫』の本領を発揮しなければと、やり通しました。
いよいよ臨月・分娩。私も一緒に期待と不安の交錯でした。
陣痛ってのは、普通10数時間から一昼夜も続くことがあるとか。
娘の場合は初めてなのに8時間足らずの安産でした。
がその間、お腹の中は剣山(花器)で突き回されるような痛みが続いた と。
よく我慢出来るものです。
もっとも我慢というよりも、母親になる一つの過程として耐えなければ
いけないことでしょうが、女性というか母親の忍耐強さの源を知った思いです。
世のお母さん方はみんな経験したんですね。今は3児の母親してる娘の友達、
元ツッパリお嬢さんもこの体験をしたんだ。実感として初めてわかりました。感服します。
妻が元気なら、飛び上がって喜び、もっともっとよく面倒を見ただろうと思いつつの
経験でした。
これからは「良太」と名づけられた初孫の成長を見守る日々が始まります。
今からメロメロになりそう…
8 育児戦争始まる
「良太」 初孫の名前です。
ひととこばかり見つめていた目が、この頃追うようになりました。見えるようになってきたんだ。
ホッペつついたら ニーッ。
「あ 笑った ジイたんだよ」
※ 私は、おじいちゃんの呼び名から少しでも遠ざかりたくて、ジイたん。
妻は、おばーちゃんじゃないって抵抗している。(そういうことはわかるんです フシギ)
泰子だからターちゃんって呼び名 に納得。
第三者は赤ちゃんの機嫌のいい時しか見ていないから、
その度の成長を楽しんでいればよいけれど、
母親は24時間のおつき合いだから大変。育児戦争 文字どおりです。
一番の苦痛は睡眠時間がコマ切れになることだそうです。
夫婦二人の時は、夫主体の生活リズムだったのが、今度は赤ちゃん中心のリズムに変わった。
この切り替えは夫婦の完全な理解と協力がなければ出来ない。
これに失敗すると母親のイライラが募り、時にはノイローゼにもなり、
赤ちゃんの発育から将来の成長に大きく響きます。
現実はそんなに深刻に考えることもなさそうです。
成長して公園などで元気に遊び回っている子どもさん達を見てても、
お母さん方みんな上手にやっているのだと思います。女性、そして母親の健気さ、
ここでも痛感します。
従来は、炊事・洗濯・掃除・近所つき合い・育児も当然「主婦」の役目としてきました。
今の若い人達は違いますね、子どもは夫婦の合作(あたりまえ)なんだから、
当然父親だって責任があることを自覚しています。
お風呂に入れたり哺乳瓶を含ませたり寝かせつけたり、育児にも積極的です。
かんしん(する方が旧いか)。
傍観者の私、今は妻の介護だけの生活に戻りました。
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| お遊び 顔に足乗せたら噛むよ |
テーブルの上でハイ ポーズ 後が心配 |
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9 母の日に贈られた赤いカーネーション
「ミャー ミャー ミャー ブィ ブィ ブィ」
ガラ ガラ ガラ
妻は 横に並べたベビーベッドの赤ちゃんをおもちゃで一生懸命にあやしています。
「ホギャー ホギャー」
なかなか泣きやまないので とうとう
「チャコちゃーん(娘のこと・赤ちゃんの母親)」 どうしよう助けて
「チャコ 赤ちゃん産んだん? どこから?」
「おなかから」
「おなか切ったん?」
お人形も赤ちゃんだと思っている幼女のように、経験のない妻には娘が赤ちゃんを産んだ
ということが不思議というか理解が出来ないらしい。
「良太んはチャコの子どもだから泰子の孫 泰子はおばあちゃんになったんだ」
私がいくら説明しても、ここからいつも話しがややこしくなる
「私チャコのお母さんじゃないもん」
「えーっつ そんならチャコのお母さん 誰?」
「お母さんでしょ」 自分の母親のこと
「うっそー じゃチャコはママの何?」
「何なの?」 反問
「子どもでしょ 娘だよ」
今度は私に
「パパ 産んだん?」
「パパは男性 産めないよ」
「あっそうか でも私 お母さん違うもん」
泰子には ママはママ お母さんと言えば自分の母親しかいない。
母の日にもらったカーネーションの大きな花束。
「私やっぱり チャコのお母さん?」
孫であってもなくっても 娘の産んだ子ども むしょうにかわいいのか
顔をのぞき込みながら
「ミャー ミャー ミャー ブィ ブィ ブィ」
ガラ ガラ ガラ を繰り返している毎日です。
平成3年5月12日(日)今日は母の日 看護の日